BiND10パッケージができるまで。

こんにちはオカベです。
明日はいよいよ記念すべきBiND10の発売日。
リリース前日のきょう、BiND9に引き続き今回もありがたいことにBiND10のパッケージ制作を担当しましたので、どんな風にできたのかその秘話を少しお話ししたいと思います。

とりあえずデザイン案を出す

パッケージを作るにはまず手順があります。

  1. コンセプトを決める
  2. デザインを絞り出す
  3. 色々がんばる
  4. 試作を重ねて完成

2のデザインを絞り出すに関しては以前お話しましたように、複数デザイン案を出すのが通例です。

というわけで絞りだしました、7案。

package
余力があれば正面デザインだけでなく、四方・帯付きの雰囲気も提案

img_pkg_01
いつも立体で見たいと言われるので、サンプルも用意するよ

コンセプト

ゼロから起こすデザインワークにおいて、コンセプトをどう立てるかはとても大事な作業です。
今回、キーワードはこんな感じを意識しました。

  • 10周年・アニバーサリー
  • 漂う上質感や存在感
  • BiNDらしさ(ホームページ制作ソフト・ブロック編集・・・)

最終的に決まったデザインでいうと、こんな感じで提案。

10(Ⅹ)をキービジュアルにしつつ、単純になりすぎないよう、見せ方を試行錯誤。
その過程で、BiNDらしさを入れ込んでいく作業を加え・・Webのレイアウトパターンをイメージ(左右への広がりで拡張性も意識)しました。そして、そこにあるだけで吸い込まれるような求心力を表現する色味。

pkg_2

もうちょっと詳しく
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Webのレイアウトパターンは、いろんな角度・切り取り方でお楽しみください

色味について詳しく

実は、黒ではありません

今回のキーワードの一つに「上質感」があったかと思いますが、
それを出すには一番手っ取り早いのが「」っぽくすることです。

お持ちの方はお分りかと思いますが、BiND6もそんな感じですね。

ただ、かといって真っ黒にしても面白みがありません。
ここからがデザインする醍醐味です。

最初のコンセプトでは触れませんでしたが、実は下記のようなキーワードも意識していたりします。
ただこれらは、サブコンセプトに近いのであくまでエッセンス程度で。

  • 原点回帰(10作目)
  • 過去バージョンの要素
  • 積み重ねてきた歴史(BiNDらしさ)

どういうことかというと、上質な感じ(黒)にはしたいけど、BiNDらしさ(緑)の印象も残したい、ということです。
BiND6の方は純粋な黒に近いですが、新たに挑戦したい。

地獄の色調整

色の方向性が決まると、次にインクの色を決めます。
パッケージのようにこだわりのある印刷の時には、色指定をすることが多いです。
色を指定する理由としては、印刷時の色を確約するためです。

いつもは、用意された色サンプルの範囲内で指定するのですが、
今回はどれもイメージに合う色が見つからず、色調整も不安でいっぱい。

一応ベースの色はこちら(番号:CF11011で検索)を指定。

また存在感を出すために、紙の質感を変えています(コーティング)
加えて、パッケージを傷から守る役割でもあります。

が、またこれが曲者で・・・。
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つやつやにする加工(左)としっとり加工(右)。しっとり加工にすると上品な仕上がりに。

加工前と加工後で、色味が大きく変化。白っぽくなったことで重厚な上質感(黒)から遠ざかることに・・・。
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印刷と加工後が同時に比較できないため、試し刷りから加工後を予測します

そんなときは、黒を濃くすることで解決を目指すわけですが、やりすぎると緑(BiNDらしさ)が消えてしまう・・・。そこは実際に印刷にかけないと正直わかりません。工場の現場に出向き、こだわりの色が出るまでとことん付き合います。
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元の色から濃く!濃く!濃く!

紆余曲折の末

外箱のお話をメインにしましたが、中に入っているアイテムもひとつひとつ同じような試行を経て1つのパッケージへと辿りついています。(開けてからのお楽しみとして・・詳細は伏せておきます。)

皆さまに気に入って頂けると、苦労が報われます。

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数々の試練を乗り越え、今のパッケージがあるのです・・・

いよいよ、発売は明日!
10年目のこだわりがこの世にリリースされる日です。ぜひ本物を手に取ってご堪能ください!

  • POINT

  • コンセプトを出す
  • デザインを絞り出す
  • 試作を重ねて、とことん向き合う

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